森村千尋の一生

十三機兵防衛圏

本作の真のヒロイン。残酷な運命に囚われ、少年少女たちの未来を閉ざす決断に迫られます。そしてそれは愛する人と一緒になるための選択でもありました。そんな彼女がさまざまな思惑翻弄されながら、活躍するその軌跡を追っていきます。

用語集の方も見ていただけるとより分かりやすいかと。
また、本編において明確に語られていない部分については私の憶測を交えてお話ししています。
ですので間違っている場合もあるかと思います。是非コメントにていろんな意見をいただけると嬉しいです。
多少、便宜的な説明をしている部分もありますが、その点はご了承ください。

YouTubeの方に、このページの内容を動画にしたものもございますので、よろしければそちらもぜひ!

それでは本編へ参ります。

2ループ前の森村千尋

時は主人公たちが活躍する世界から2つ前のループに遡ります。

 場所はセクター1/2105年です。彼女らは、今2188年の人々が行った方舟計画の最中にいます。方舟計画に関しては、冬坂編にて詳しくお話ししているので、そちらもご覧ください。

 ある日、彼女が住むこの街に突如ダイモスの群れが襲いかかってきます。
森村と、友人の沖野、和泉は街の地下に巨大な施設が埋まっているのことを知り、そこに避難しています。

 この施設は、ユニバーサルコントロールと呼ばれる巨大なコンピュータで、この仮想世界とそこにいるAI キャラクターを管理しているものです。
 ダイモスがこのユニバーサルコントロールに接触したことで、この世界のAIキャラはみんな消滅してしまいました。
 森村、和泉、沖野は現実世界に肉体があるちゃんとした人間ですが、他の人々はみなAIで、森村の両親も消えてしまったようです。

 話は変わりますが、和泉は森村のことを愛しており、その気持ちを伝えたようですが、今はこんな状況だから答えられないと言います。

ただ、森村も和泉のことを愛しています。単に状況が悪いだけということでしょうね。

 和泉がこのコンピューターを解析した結果、今自分たちがいるのは円盤状の施設だと知ります。
ダイモスはここを狙って攻撃しているようですが、目的はまだわかりません。

そしてもう一つ、何やらカウントダウンのようなデータを発見します。

 ダイモスが中枢に接触してから動き始めたようですが、まだこれがなんなのかはわかりません。彼らは解析を続けることにします。

 その後、和泉は転移ゲートで他のセクターの様子を見に行ったようですが、どこもダイモスに襲われて壊滅状態のようです。しかし、過去の年代は今ダイモスに襲われているのに、そんなことがあった記録はありません。
 彼らはそこで、各セクターが時系列で繋がっておらず、このゲートはタイムマシンではないのでは、と考え始めます。

 ここでなんと、例のカウントダウンが0になってしまいます。これはおそらく世界リセットまでのカウントダウンで、もう間も無くリセットが起こります。

 彼らは転移ゲートでどこかへ避難しようとしますが、どのセクターも設定できないようです。全てのセクターが制圧されたためですね。

 ようやく見つけた転移先は、セクター0という謎の領域。仕方なく彼らはそこへ避難することにします。
 セクター0は唯一リセットされない領域。ここに記憶をセーブしておけば、次のループが始まったとき、その記憶を元にAIとして再生されます。

三人はそこへ転移しようとしましたが、タイマーがセットできず沖野はその場に残って和泉と森村を脱出させました。

こうして世界はリセットされ、次の周回が始まります。

1ループ前の森村千尋

彼らがいるのは、セクター1/2089年。ちょうど自分たちが生まれた年です。

一度に色々なことが起こりすぎて、森村は放心状態ですが、和泉は彼女を励まします。

 これから彼らは世界の謎を解き明かし、16年後にやってくるはずのダイモスをどうにかするべく活動していきます。

 それから約15年後、ダイモスが敷島重工という企業の、宇宙開発計画に使われるはずだった機械だということを突き止めます。

 そこで2人は、敷島の研究施設に潜入して研究員を殺害し、施設を爆破しました。これであとはダイモスがこないことを祈るばかりです。

 しかし彼らは、警察に追われ、包囲されてしまいます。
そこで和泉は自分が囮になり、森村を脱出させました。

こうして森村は無事に逃げ切れましたが、残念ながら約1年後、この世界にダイモスが襲来します。

森村は各セクターを廻って、生体IDを持つ15人を救助していきます。

全員は救助できなかったようですが、彼らを仲間に加えてダイモスと戦うべく、準備を進めます。

しかしある日、なんと突然和泉が生体IDを持つ彼らを次々と殺害してしてしまいます。

 和泉はユニバーサルコントロールを解析した結果、Dコードの存在に気づきました。Dコードはダイモスを生産して、襲撃させる命令を出すプログラムです。
 このコードが生体IDを持つ15人全員のナノマシンに仕組まれていることに気づいた和泉は、ダイモスから世界を救うため、このような凶行に走ったというわけです。

森村は彼を止め、重傷を負った井田を手当てします。

この事件が原因で森村と和泉は袂を分つことになります。

 その後ついに、最後に残るセクター4にダイモスが襲来します。森村は生き残った少年たちと共に、ダイモスと戦いますが、圧倒的な物量を前に敗北してしまいました。

前の周回と同様、全てのセクターが制圧され、この世界はリセットが起ころうとしています。

 彼らより一足先に如月、三浦、比治山、玉緒の4人は先にセクター0に避難しており、森村と井田もそこへ避難することにします。彼らの作った98式二脚車両には、転移ゲートの機能が備わっており、それで脱出を試みます。

森村は、電源を確保するためその場を離れましたが、そこでリセットの時が来てしまいました。

森村は今からではもう間に合わないため、井田にリセットを超えたら、16年前の自分に事情を説明するように言います。

こうして森村は井田に全てを託し、セクター0にデータを保存することなく、ここで世界と共に消滅してしまいました。

今周回の森村千尋

リセットを超えた井田はすみれ橋で、当時16歳の森村千尋と出会います。

この森村は、和泉と共に沖野に送り出された時、セクター0にセーブされた森村です。

 ここに和泉がいないのは、先ほどのリセットの前に彼はセクター0にデータをセーブして、上書きしたからです。32歳の和泉はおそらく別の場所で再生されています。
 かくして森村は井田から全てを説明され、ダイモスとの戦いに備えて準備を進めることになります。

 しかしここで、あることが判明します。井田と共にこの周回にきているはずの4人の姿がどこにもありません。
 森村は井田から、前の周回で大量殺人を犯した和泉がこの周回でも殺人を犯し、4人はその犠牲になったと聞かされました。
 それを聞いた森村は和泉を探し出し、これ以上被害者が出ないよう、愛する彼を殺害することを決心します。

 それから7年後、ダイモスに対抗するための兵器、機兵を製造する準備を始めます。機兵は、工場でダイモスを作らせているDコードの命令に割り込み、その工場で作ります。その命令に割り込むには、Dコードの制御鍵を掌握しなければなりません。

 そして現在制御鍵を持っているのが、緒方稔二だと突き止めた森村は、制御鍵掌握コードを打ち込むべく彼に会いにきました。

 逃げ回る彼を追い詰め、無事にコードを打ち込むことに成功。これで機兵を製造できるようになりました。

そしてその1年後、とうとう森村は和泉を発見し、彼と対峙します。

 彼はこの周回に来てからは人は殺めていないと言いますが、森村は彼を信じることはできませんでした。そして、和泉を撃ちます。
こうして森村は愛する人を失ってしまいました。

 その頃井田は、セクター0に保存されていた記憶を元に、如月たち4人のAIを作っていました。しかしここで、AIとして復活したキサラギから衝撃の事実を聞かされます。

 実は彼ら4人はそもそもこの周回にはきておらず、和泉に殺害されたというのは井田のでまかせでした。

 彼らがセクター0に転移する直前、乗っていた98式二脚車両がダイモスに攻撃され、データのセーブが正常に行われませんでした。なので、4人はリセットを超えることができていなかったのです。

 井田は和泉に殺されかけたことを恨んでいたため、彼の犯行だと決めつけていました。
それを聞いた森村は絶望し、愛する人を手にかけてしまった後悔と罪悪感に苛まれます。

そこから4年後、さらに沖野、和泉、郷登を仲間に加え、セクター1の研究室に来ています。

 どうやらダイモス製造工場の稼働率も上がってきており、決戦の時が近づいている模様です。ちなみにセクター1は機兵の調整が間に合わず、すでにダイモスに破壊されてしまっています。

 一方、井田は地下のユニバーサルコントロールを解析し、2188年の記録を発見してきました。
これは当時の地球でナノマシン技術が発展していたこと、そしてそれを悪用した犯罪が多発していたことを示すニュースでした。

彼らはこれが未来のニュースだと思っていますが、実際には方舟計画が実行される前、つまり過去の記録です。

 現状、このニュースに関してはよくわからないので、今はとりあえず、来るべき戦いに備えることにします。

 そしてとうとうセクター2にダイモスが進行してきました。

和泉の活躍もあり、なんとかダイモスは退けられましたが、今回はまだ序の口です。

このとき、セクター2の機兵適合者、東雲涼子と関ヶ原瑛を救出します。

彼らも仲間に加わることになり、機兵の訓練を受けさせます。

そしておそらくこのあたりで、森村は自分の名前で記録されていた2188年の記録を閲覧します。

これで方舟計画の存在、人類滅亡の原因が2188年の森村千尋であること、もうこの世界はリセットができないことを知ります。
 森村は人類を滅ぼしたのが自分のオリジナルであることを知られたくなかったため、2188年の記録を消去しました。

 リセットができない理由については最後の方に詳しくお話ししますが、これを知った森村はイージス作戦の遂行を決心します。

 イージス作戦を行うとこの世界はリセットされなくなり、ループも起こらなくなります。しかしそうなるとダイモスに破壊され、人が誰もいなくなった世界で一生生きていくことになります。

井田はこれに反対していますが、森村皆を救う方法はもうこれしかないと考えています。

 そしてついに、セクター2にダイモスの本格的な進行が始まりました。

こちらも19機もの機兵を出撃させ、準備万端で臨みます。

 激しい戦いが続いていましたが、突如機兵が操作を受け付けなくなってしまいます。これは何者かによってばら撒かれたDD426というプログラムの影響です。

これによって機兵とその搭乗者は汚染されてしまいました。

 森村は皆を脱出させるため、すべての機兵を強制転移させます。しかし転移先の設定は間に合わず、皆はバラバラのセクターに飛ばされてしまい、ほとんどの機兵が行方不明になりました。
 こうして彼らはダイモスに敗北してしまいました。

この敗戦で、森村はイージス作戦決行の意思をさらに強めます。

 それから間も無くして、セクター3にもダイモスの攻撃が始まりました。
この時、セクター3の機兵適合者、如月兎美と薬師寺恵を救出します。
 しかしこの時、和泉十郎が街を守るため、たった1人で出撃してしまいます。機兵は汚染されているため、長時間操縦するのは危険です。

森村たちは、如月たちの救助を急ぎます。

 なんとか彼女らを救助し、セクター4に避難した森村たち。しかし十郎は、長時間DD426の汚染ににさらされた結果、記憶を無くしてしまいました。

 ここで森村は、治療と称して、自ら手にかけてしまった恋人、和泉の記憶を十郎に移植して復活させることを考えます。

記憶移植はかなり進んだようですが、途中でタマオに気づかれ、止められます。

 タマオは森村の気持ちを知っていますが、和泉は凶悪な殺人犯であるため、彼の復活を見過ごすわけにはいきません。

その後、ある日咲良高校理科室で、郷登がゲートを使おうとしているのを見て、注意します。

 森村はゲート操作を禁止しており、ロックをかけています。おそらく2188年の記録などを見られないようにするためでしょうかね。

 郷登は、森村がイージス作戦を推し進めていることや、和泉十郎の復活を目論んでいることなどから、彼女が和泉十郎に操られているのではないかと疑っています。

 そして後日、セクター2に取り残されている機兵を探しにきた森村と郷登は、冬坂五百里が倒れているのを発見し、救助します。

 どうやら8番機兵に襲われて気絶したようです。機兵はダイモスと同じ工場で作られたもので、行ってしまえばダイモスの一種です。なのでこちらから操作をしなければダイモスと同じように襲ってきます。

 冬坂がこんなところにいた理由は、誤ってゲートを起動させてしまったためです。
冬坂がゲートのロックを解除できたのは、森村千尋の生体IDを持っているからです。

 実は彼女こそがこの周回で生まれた森村千尋で、今まで森村はそのIDを借りて使っていました。元々森村千尋はセクター1で生まれているはずですが、森村が生まれたばかりの自分をセクター4の冬坂家に預けました。それが今の冬坂五百里です。預けた理由は井田編でもご説明していますが、おそらく生体IDを保護するためだと思われます。

 冬坂が森村千尋のIDを持っていることに気づいた郷登は、こっそり彼女をセクター3のユニバーサルコントロールに連れていきます。そこで冬坂のIDを通すことによって、森村千尋の記録を見ました。

記録は2つあり、1つ目は生体ID復活実験に関してです。

 森村は前の世界から、リセットを乗り越えてきたとき、すでに肉体及び生体IDを失っています。冬坂のIDを借りていたのもそのためです。

 そこで森村は自分のクローンを作って、自分の記憶を移植することで、生体IDを持った人間に生まれ変わろうとしました。しかし残念ながら作ったクローンすらもAIであり、生体IDを持っていませんでした。
 森村は仕方なく、移植した記憶を封じて、そのクローンをセクター5の三浦家に里子に出しました。

 2つ目の記録はイージス作戦について。
やはり森村は先の敗戦でイージス作戦を決めたようです。

 ただ、実はその理由には和泉が大きく関わっています。
森村と同じく、和泉もリセットを超えたため、すでにAIとなっています。このまま少年少女たちがこの世界から脱出してしまうと、ユニバーサルコントロールは役目を終えて停止してしまいます。
 そうなれば、和泉と森村も消滅してしまいます。なので森村が愛する和泉とともに生き残るためにはイージス作戦が必要だというわけです。

 後日、森村が敷島重工のビルに入っていくところを網口に目撃されます。

 森村は未来の技術を提供することで敷島に匿ってもらっており、身寄りのないこの時代で生活できているのも敷島のおかげです。
 ちなみに森村は表向き咲良高校の養護教諭として活動しています。

 後日、敷島の造船ドッグで涼子先輩に薬師寺恵を紹介します。ここにあるのは14番機兵。涼子先輩の機兵です。

 先の戦いで14番機はセクター4に飛ばされていたため、こうして無事に回収できました。それを敷島の施設で保管させてもらっているわけです。
 ただ以前として、ほとんどの機兵が行方不明のままで、おそらくこの時点で発見できている機兵は、8番、13番、14番だけです。
 さらにパイロットである涼子先輩はDD426に侵されているため、仕方なく森村は薬師寺を14番に乗せようとしています。ただ14番機は涼子先輩にとって大事な機兵らしく、断固反対されました。

 しかし涼子先輩はどう見ても戦えるような状態ではなく、薬がなければ意識も保てません。この日もいきなり廊下で倒れ、鷹宮に運んでもらったようです。

 涼子先輩が飲んでいるのは、DD426の処理を遅らせる薬。遅らせるだけで、治すことはできず、記憶が完全に無くなるのも時間の問題です。

 それからしばらくした後、鷹宮が敷島の造船ドッグに忍び込んできました。

 彼女のナノマシンを調べた結果、最近コードが書き換えられた痕跡があるそうです。こんなことができる人物は、自分たち以外には1人しかいないという確信があります。それは和泉十郎

 実は彼はAIとなって復活し、今は機械の体に入って逃走しています。コードが書き換えられたのは最近なので、最近鷹宮に接触してきた人物が怪しいようです。森村はその痕跡を詳しく調べるため、鷹宮を捕らえます。

そうしてついに、タマオの体で潜伏していた和泉と再会します。

 彼に重傷を与えましたが、なんと橋から飛び降りて逃げてしまいました。こうしてまた彼は行方をくらませてしまいます。

 そして後日、森村の忘れたプリントを届けにきた十郎に、投薬記録を見られます。それは十郎に対する記憶移植の履歴です。
 その記録には冬坂五百里の名前もあります。実は森村は当初、生体ID復活のため冬坂に自分の記憶を移植して乗っ取るつもりでした。おそらく和泉として復活する予定だった十郎と、同じ年齢に戻りたかったという考えもあったかもしれません。ただそれも途中で中止しています。

そこへ森村がきて、十郎と少し話をします。

 森村が十郎に親しくしているのはおそらく、彼の中にある和泉十郎の記憶が呼び起こされて、自分のことを思い出してくれることを期待しているのかもしれません。
男子校生には刺激が強いですね。

 それからしばらくしたある日、関ヶ原に呼び出され、彩芽峠にやってきます。そこには冬坂も来ていました。関ヶ原は冬坂の見ている妙な夢が、森村が移植した記憶だということを説明させるために2人を引き合わせました。

 それでやむを得ず、冬坂に記憶を移植して乗っ取ろうとしていたこと、十郎に和泉の記憶を移植して復活させようとしていたことを説明します。

 冬坂への記憶移植を中止したのは、もうリセットができず、ダイモスを倒して脱出する算段もないため、今更体を奪ってもしょうがないからですね。

 さらに、自分はすでに肉体を失ってAIとなっていることも教えました。そもそもリセットを超える方法とは、セクター0に自分の記憶を保存しておくことで、次の世界が始まったとき、ユニバーサルコントロールがその記憶を持ったAIを作り直すと言うものです。なので仮にダイモスを倒せたとしても、もうこの世界からは脱出できません。
 次のループに逃げようとしていた関ヶ原にとっては衝撃の事実です。

 そして後日、保健室で涼子先輩と出逢いますが、症状がかなり深刻になってきており、記憶がなくなる寸前です。もう殆ど薬も効いておらず手の施しようがありません。それどころか、自分の頭がおかしくなったのは薬のせいだと言い出します。

なので完全に記憶がなくなる前に、涼子先輩にある事実を告げます。

それはDD426を拡散させた犯人が涼子先輩だということです。

 機兵へのアクセス履歴から、彼女が犯人だということは前からわかっていましたが、具合の悪いことに、涼子先輩自身もDD426の作用によって、そのことを忘れてしまっています。機兵汚染解除のパスワードを知っているのは涼子先輩だけであるため、ナノマシンで記憶の補強を試みましたが、うまく行きませんでした。
 森村は仕方なく涼子先輩を自由に行動させ、記憶が安定するのを期待しました。しかし涼子の認識は現実から離れていくばかりでこれまたうまく行きません。

 最後にもう一度、汚染解除のパスワードを思い出してくれるよう言いますが、彼女は自分のしたことの重大さにとてつもないショックを受けそのまま気絶してしまいます。

そしてこの時点でとうとう涼子先輩の記憶はほぼ完全に無くなってしまいます。

これでもう機兵汚染を解除するパスワードを知る方法は完全になくなってしまいました。

 そして今度は関ヶ原の方にも限界が訪れようとしています。最後に森村は彼に、2188年の記録から知り得たことを話します。

 森村はこの記録から、現実世界にある司令船にアクセスする方法を見つけました。司令船は地上の施設やユニバーサルコントロールが正常に動いているかなどを監視しています。

 この司令船にアクセスしたことで、森村は現実世界の状況を確認することができました。それで、主人公たちの肉体がある施設の、耐久限界がきていていることを知ります。
 次にリセットが起これば、その施設は取り壊され、作り直されます。その際、ユニバーサルコントロールは作り直され、セクター0すらもリセットされます。

 つまりもう誰も次のループにはいけません。先ほどもご説明しましたが、森村がイージス作戦に強くこだわっていたのはこれを知っていたからですね。

ここで本当に関ヶ原に限界が訪れ、うずくまってしまいます。

 とそこへ、小さな女の子がやってきました。なんとその子は突然銃を取り出し、森村は殺害されてしまいました。

 この子の正体と目的に関しては郷登編にてお話ししているので、そちらも見ていただければなと思います。

こうしてイージス作戦は破綻し、世界の命運は残る少年少女たちに託されることになります。

タイトルとURLをコピーしました