今回は十三機兵防衛圏の主人公の一人、緒方稔ニの一生を追いながら本作のストーリー解説して行きます。
リーゼント頭がトレードマークの強面少年。見た目の通り喧嘩っ早い不良ですが義理人情に厚く、落ち込んでる人には優しい言葉をかける懐の大きさも持ち合わせています。
そんな彼が機兵に乗って戦い、未来を勝ち取るまでの軌跡を追っていきましょう。
※用語集の方も見ていただけるとより分かりやすいかと。
また、本編において明確に語られていない部分については私の憶測を交えてお話ししています。
ですので間違っている場合もあるかと思います。是非コメントにていろんな意見をいただけると嬉しいです。
多少、便宜的な説明をしている部分もありますが、その点はご了承ください。
YouTubeの方に、このページの内容を動画にしたものもございますので、よろしければそちらもぜひ！
それでは本編へ参りましょう。
2188年の緒方稔二
巨大企業敷島グループの会長。父親の緒方憲吾亡きあと、その跡を継いで会長になりました。
2188年の地球ではナノマシン技術が発展しており、人々の生活に浸透していました。
敷島グループもインナーロシターというナノマシンの最大手NEWMEN社を買収し、インナーロシターのシェアを拡大していました。このインナーロシターを脳内に埋め込むと、簡単に仮想体験ができたり、記憶のダウンロードなどができるようになります。
また、緒方憲吾はNEWMEN社の進めていた箱舟計画という事業を支援しており、資金提供を行っていた。
箱舟計画とは、人間の遺伝子情報と無数の探査装置を宇宙に向けてとばす計画です。探査装置が人間の住めそうな惑星を発見したら、そこで重機を作成して地表を開拓。その後、人間の遺伝子情報をもとにクローンを作成してそこに新たな人類を繁栄させるのが箱舟計画です。
一方、息子の稔二はこの計画を実利が無い自己満足な事業だとして反対していました。跡を継いだ稔二により資金援助は停止され、箱舟計画は中止を余儀なくされます。
しかしその後、とある人物の暗躍で地球上でインナーロシターを悪用した汚染が広がり、人類の大半が死亡。残りの人類は、宇宙船に避難した15人だけとなります。そこで本来の目的とは異なりますが、この15人の遺伝子情報を乗せて、箱舟計画を実行に移すことになります。
箱舟は無事に宇宙に向けて飛び立ったが、ここで新たな事実が発覚。なんと死亡した憲吾のAIが、別の星で成長した稔二に、自分の記憶がダウンロードされるようにプログラムを設定し、復活を目論んでいました。（実際に設定したのは森村）
その後、残り少ないエネルギーを使って飛び立った箱舟にアクセスし、計画を中止もしくは憲吾の復活を阻止する派閥と、静かに余生を過ごしたいという派閥に分かれます。
話し合いが行われるが、緒方たちが銃を持ち出し発砲。銃撃戦が起こってしまいます。
その銃撃戦により緒方は死亡してしまいます。緒方がどちらの派閥にいたかは不明ですが、おそらく自分のクローンが父親に乗っ取られるのは我慢ならず、復活を阻止したいと思っていたのではないかと思います。
現在の緒方稔二
セクター４出身。
7歳の時、森村千尋にDコードの制御権を掌握するための追加コードを打ち込まれます。
Dコードはセクター1の自動工場にアクセスしてダイモスを生産したりするプログラムです。Dコードの制御鍵を掌握することで、工場の生産ラインに割り込むことができます。それで機兵を製造できるようになります。
同時に、Dコードの命令者を緒方に固定するプログラムも追加しました。Dコードの制御権は、同じくDコードを持つ人間の間を転々とする性質があるため、これを固定する必要がありました。
こんなことが子供の頃にありました。初見ではよくわからないシーンですよね。
そして1985年、緒方は高校１年生。
ある日、幼馴染みの沢渡美和子から、とある女子が話があるから来てほしいと呼び出されます。
告白されると思ってウキウキしながら現れる緒方でしたが、その相手が如月兎美でした。会うなり喧嘩を始めた2人でしたが、突如光に包まれ、3人ともセクター３に転移してしまいます。（この時、理科室で東雲と関ヶ原が対峙しており、転移ゲートが誤作動。これに巻き込まれてしまいました。）
廃墟で目覚める３人。あたりの様子から、如月はここが2025年であることに気づきます。
元の時代に戻る方法を探すため沢渡を残して、二人は辺りを探索することにします。
まずは実家に戻る如月。
自分の家がめちゃくちゃになっているのを見て、ショックを受ける彼女に優しい言葉をかけます。
緒方優しさ、人情にあつい様子が伝わってくる名シーンですね。喧嘩っ早いが実は優しいというお手本のような不良ですな。
さらに探索を続けていると町を破壊した怪獣の残骸を発見します。
調べてみるとその残骸にはなんと、敷島重工のマークがありました。また、その辺の機会をポチポチやっていると、アナウンスが流れ始めます。それによるとこの怪獣は、2188年の敷島が設計した地表開拓用の重機で、それがなぜか2025年に現れているようです。
これに関しては如月編などで。
さらに探索を続けると、同じ学校の先輩である東雲涼子を発見します。しかしなんだが様子がおかしく、さらに突然周りのドロイドが立ち上がり、襲われてしまいます。絶体絶命かと思われましたが、そこに現れた関ヶ原瑛に助けられます。
そして彼曰く、地下にある中枢コンピューターに行けば、ゲートを使用して元の時代に戻れるそうです。
瑛に連れられ、中枢にやってきた一向。様子がおかしかった東雲も一時的に正気を取り戻し、無事に1985年セクター４に帰還することができました。
しかしそこに沢渡の姿はありませんでした。
瑛曰く、この世界の人々は中枢コンピューター、通称ユニバーサルコントールに管理されており、沢渡は不必要なことを知りすぎてしまったそうです。
実はこの世界はユニバーサルコントロールによって管理された仮想空間であり、15人の主人公たちの肉体は別の場所にあります。この15人の脳内には、インナーロシターが埋め込まれており、これを通じて仮想空間を体験しています。逆に、それ以外の人々は全てユニバーサルコントロールによって作られたAIキャラクターであり、主人公たちに日常生活を体験させるためだけに作られたものです。
沢渡美和子も当然AIであり、ユニバーサルコントロールについて知りすぎたため、その記憶を消去されて再構成されました。
実際、翌日沢渡は何食わぬ顔をして登校しており、セクター3に行ったことは忘れています。
如月は、人々がコンピューターに管理されているのなら、両親もまだ生きていて、どこかに隔離されているのではないかと考えました。彼女はユニバーサルコントロールについてもっと知るため、もう一度セクター３に行こうとしています。それを緒方に相談しましたが、危険だからと言って反対します。
もう完全に如月のことが気になっていますね。
後日、緒方は学校で鷹宮由貴と再会します。緒方はケンカの強さで名を上げた不良で、中学の頃から不良の間では有名人だそうです。だから鷹宮も顔を知っていたのだのでしょう。ちなみに鷹宮も「ヶ峰の鷹宮」と呼ばれていた有名な不良です。
街中で出会った三浦に、髪型のことを馬鹿にされ、鞄で殴って気絶させてしまう。
この時おそらく汚染回避コードと機兵強制起動コードを取得しました。三浦に接触すると、これらのコードが取得されるように設定されていました。鞄で殴ったというのが少々引っかかるところではありますが、おそらく取得しています。これらのコードの出所については三浦編、沖野編にて。
また後日、輪島にタイマンだと言われて呼び出された緒方でしたが、いざ場所に向かってみると、全員比治山が倒してしまっていました。緒方は他人の喧嘩に割り込んできた比治山が気に食わず、彼と喧嘩をはじめます。結果はどうなったかわかりませんが、おそらく緒方は負けたようです。
ちなみにそのあと元軍人の比治山が、なかなか根性があるやつだったと言っていたのでやはり相当の実力者ですね。
また別の日、今度は、女装した沖野に手紙で呼び出されます。告白されて舞い上がっていたところを嫉妬心に駆られた比治山に殴られて気絶してしまいます。もちろん沖野も本気ではなく、緒方を拘束するために呼び出しました。
そのまま脳内のナノマシンを解析され、Dコードの命令者（制御鍵の持ち主）ではなくなっていたことが分かります。ただ同時に、発信者の手がかりが緒方の脳内にあることも判明します。
なぜ固定したはずの制御権が移っていたかについて。
森村はあの時、冬坂五百里の生体IDを借用して緒方の制御鍵を固定していていました。
しかし、本来のIDの持ち主である冬坂が、理科室のゲートを起動した際、IDが冬坂に自動的に返還されました。
これにより鍵の固定が解除され、緒方から別の人物へ鍵が移ったと考えられます。ちなみに冬坂がゲートを起動したのは、丁度緒方が沢渡に呼び出された少し前（セクター３に飛ぶ前）。あの時期から今までのどこかで制御権が別の人物に移りました。（正確にはもう少し絞れますが、割愛）
話を戻します。
緒方は沖野のアジトに連れていかれ、特殊な装置でさらに頭の中を探査されます。しかし沖野が自由に頭の中を探しまわれるわけではなく、緒方自身で自分の脳内空間から探さなくてはなりません。
はじめ緒方は自分の脳内だとは気づかず、電車に乗って家に帰ろうとしていましたが、突如電車が事故に遭ってしまいます。しかし気がつくと、電車に乗る前に戻っており、ループしてることに気づきます。
何度もループを繰り返し、困っていた緒方。するとどこからか声が聞こえ、鍵を見つけたらループから出られると言われる。この鍵というのがDコードの制御鍵です。
色んな人物に出逢いながら鍵を探していく緒方。同時にいろんな事実を知っていきます。
森村からは制御鍵を持っていたのは元々自分であることを。そして井田からは、15人の少年少女がダイモスに襲撃命令を出していることを聞きます。
そしてとうとう、南奈津乃が制御鍵の所有者だと判明します。そこに謎の男、和泉十郎があわられます。
彼からは、南が制御鍵を持っていることを沖野に知られれば、何をされるか分からない。と口止めされます。
緒方も、自分のことを拉致して脳内をいじるような連中に、南が捕まったら危険だと思い、沖野には黙っていることにします。
この時和泉は、南の制御権を利用して第四世代の機兵を製造、最終決戦へ向けて準備をしていました。それを邪魔されないため、緒方に口止めをしたということです。
沖野に鍵のありかを言えず、ループからも出られないので困っていた緒方でしたが、そこを薬師寺恵に救出されます。
しかしこの時、薬師寺に機兵の操縦コードを打ち込まれ、10番機兵の搭乗者として登録されます。
そして、以前三浦から取得した強制起動コードの効力により、おそらくどこかで10番機兵が起動しました。騒ぎになっていないので、その辺ではなく、脳内の世界に現れたと思われます。
こうして無事に緒方は連れ出され、逃げ出しました。
後日、如月と食堂で話していた緒方でしたが、突然如月が倒れてしまいます。近くにいた薬師寺が何かしたと疑いましたが、結局問い詰めることはできませんでした。
今度は如月がいなくなってしまいます。１人でセクター３に行ったと踏んだ緒方は、ゲートがある常坂神社に行ってみますが、ゲートの使用法がわからず、八方塞がりになってしまいます。
仕方なくゲート付近で待ち伏せていると、沖野と一緒に出てきた如月を発見します。
ほっと胸を撫で下ろす緒方と満更でもない如月のやりとりは萌えますね。
そしてついにセクター４にもダイモスの侵攻が始まります。
緒方は10番機兵に乗り込み、惚れた女を守るためダイモスとの戦いに参加します。
崩壊編へ続く。
