【十三機兵防衛圏】比治山隆俊の一生 - だいきちのゲームブログ

今回は十三機兵防衛圏の主人公の一人、比治山隆俊の一生を追いながら本作のストーリー解説して行きます。

　屈強な肉体と精神力を持ち、威風堂々としている帝国軍人。妙に鋭い所もあり、直感力に優れます。素直になれない照れ屋さんですが、一途でまっすぐな男です。

そんな彼が機兵に乗って戦い、未来を勝ち取るまでの軌跡を追っていきましょう。

※用語集の方も見ていただけるとより分かりやすいかと。
また、本編において明確に語られていない部分については私の憶測を交えてお話ししています。
ですので間違っている場合もあるかと思います。是非コメントにていろんな意見をいただけると嬉しいです。
多少、便宜的な説明をしている部分もありますが、その点はご了承ください。

YouTubeの方に、このページの内容を動画にしたものもございますので、よろしければそちらもぜひ！

それでは本編へ参りましょう。

2188年の比治山
現在の比治山

2188年の比治山

軍人。おそらく、宇宙船コロニーの警備をしていました。

2188年の地球ではナノマシンの技術が発展しており、人々の生活に浸透しておりました。
　しかし同時に、ナノマシンを利用した犯罪も横行し、ナノマシンの汚染が急速に広がっていきました。その汚染の影響により人類の大半が死亡、生き残っているのは宇宙船コロニーに避難した極少数だけとなります。

　人々が汚染に曝される中、比治山の友人である薬師寺望が宇宙船の別セクターからやってきます。
彼は中に入れてくれるように比治山に頼みましたが、すでにナノマシンが汚染されていると分かっていたため、断腸の思いで扉をロックしました。

　せめて娘の恵だけでも中に入れてくれと頼まれますが、既に潜伏期である可能性もあるので、それも拒否します。

　そこに比治山の上司である和泉十郎が駆けつけ、ある提案をします。小型のポッドを出して、コロニーの外で和泉が恵を受け取り、24時間経っても感染が確認されなければ、コロニーの中に受け入れるというものでした。比治山はそれに承諾し、結果、無事に恵はコロニーに受け入れられることになります。

　ここで残った人類は箱舟計画という計画を実行に移します。詳細は緒方編などでお話ししていますが、簡単にいうと人間の遺伝子情報を宇宙に飛ばし、別の惑星で人類を再生させる計画です。

　汚染の拡大は止まらず、残る人類はとうとう一桁を切ってしまいます。生命維持に必要なエネルギーも残り僅かになり、持ってあと三日というところになります。
　しかしここで、エネルギーの利用法を巡って意見が対立してしまします。話し合いが行われましたが、対立は激化、なんとそのまま銃撃戦が起こってしまいます。これで多くの人が亡くなり、比治山自身も致命傷を負い、そのまま亡くなってしまいました。

　比治山は人を守りたくて、軍人になりその仕事に誇りを持っていましたが、最後には仲間同士で殺し合いをして死ぬことに絶望していました。そしてもし箱舟計画がうまくいったら、今度は誰かを守るための人生であってくれと願い、力尽きます。

現在の比治山

時は打って変わって、1944年。出身はセクター５。

彼は、同郷の三浦と共に日本軍の秘密兵器、機兵の搭乗員に選ばれます。三浦とは昔なじみ。同い年ですが、比治山の方が学年が一つ上です。

　二人は機兵の格納庫へ向かうところでしたが、そこへ、友人の鞍部玉緒と、機兵を作った堂路平蔵博士の娘の桐子が見送りにやってきます。そして桐子を見た瞬間、比治山は彼女に一目惚れしてしまいました。~~比治山の性癖が破壊された瞬間である。~~

二人は玉緒、桐子に見送られながら、機兵の格納庫へと向かいます。

　三浦と共に19番機兵を目の当たりにします。圧倒的な大きさの鉄の巨人を見て、三浦はまるで小説に出てきそうだと言っています。比治山も最初に見た時は気分が上がったと言ってました。

ほんとに迫力があってかっこいいですよね。男のロマンです。

そして二人は機兵の同調接続を行い、米軍と戦うべく、訓練をすることになります。

　ところがある日、堂路桐子にスパイ容疑が掛けられ、彼女は逃走してしまいます。比治山はそれを追いかけ、常坂神社の前で追いつきました。比治山は何かの間違いではないかと、彼女を問い詰めます。
すると彼女は、自分は本物の堂路桐子ではないと言い出しました。さらに、機兵を作ったのは堂路博士ではなく自分だと言っています。
流石に訳がわからず困惑していた比治山。しかも桐子が何かを操作すると、彼女は光に包まれ、消えてしまいました。

　その後、堂路桐子を追いかけてきた関ヶ原と遭遇し、彼から話を聞きます。
関ヶ原曰く、堂路桐子の正体は沖野司という男だそうです。にわかには信じられない比治山は、堂路桐子の正体を確かめるべく、関ヶ原についていき、セクター４/1984年へ転移します。

　セクター４に来たはいいものの、なかなか沖野を見つけられず。しばらくは土手に住んで、日雇で生計を立てていました。その間に図書館で情報を仕入れ、ここが1984年であること、そして日本が戦争に敗れたことを知ります。

　ある日、行水（川などでの水浴び）で風邪をひき、猛烈な空腹で動けなくなってしまいます。
死にかけていたところに薬師寺が通りがかります。気の毒に思った彼女は、比治山に焼きそばパンを譲ってあげます。

　比治山は、こんな美味いものは食ったことがないと言ってすぐに平らげてしまいます。これがきっかけで、焼きそばパンは彼の大好物になりました。

　転移から半年後、最近では不良をボコボコにしてお金と服を借りたりして生き延びていました。それでこの近辺の不良たちから学ラン狩りの比治山と呼ばれるようになります。
　ある日、いつも通り不良たちに絡まれたが、あっさり返り討ちにします。しかしこの不良（輪島）は緒方とタイマンをはる予定でここに来ており、それを邪魔したことで緒方とも喧嘩になります。
　ところが喧嘩の直前、桐子によく似た男を見かけます。

　追いかけようとしましたが、緒方は逃してくれず、彼をまず倒すことにします。結果はわかりませんが、おそらく比治山が勝ったんでしょう。
　緒方は喧嘩が強いことで有名で、元軍人である比治山をして、ずいぶん手こずったと言わしめています。緒方も相当のもんですね。

　そしてついに廃工場で沖野を発見。沖野はここをアジトにしています。一緒に元の時代に戻ろうとしますが、沖野はこの時代でやることがあるから戻れないと言いました。そして彼は、それが終わったらなんでも言う事を聞く代わりに、比治山に協力を求めます。比治山は一瞬邪なことを考えましたが、それが終わったら元の時代に一緒に戻る約束を取り付けました。

　比治山がアジトに置いてある焼きそばパンをとってくる間に、沖野はどこかに行ってしまいました。
比治山は沖野を追いかけて咲良国民学校にやってきます。しかし40年の月日の流れで、学校の名前も校舎の様子もかなり変わっていました。

　旧校舎で、桐子との思い出に浸ってニヤニヤしていると、沖野が目の前にいました。

ここで、沖野の目的を聞かされます。彼の目的は、世界を滅ぼすものの阻止だそうです。そしてそれは間も無くこの時代にもやってくると言います。これはもちろんダイモスのことです。
　原因はDコードというプログラムで、それを持つものが意志とは関係なく、ダイモスを呼び出してしまいます。比治山が訓練を受けた機兵が戦うべき相手は、そのダイモスです。
　また比治山や沖野の脳内には、インナーロシターと呼ばれるナノマシンが埋め込まれており、Dコードもこのインナーロシターに書かれているプログラムです。彼らだけでなく、15人の主人公全員がインナーロシターとDコードを持っています。
　そしてその中の一人がDコードの制御鍵を持っており、ダイモスに襲撃命令を出しています。もちろん本人の意思は関係ありません。
沖野の当面の目的は、この制御鍵を見つけ出してなんとかすることです。

　比治山に騒ぎを起こされても面倒なので、しばらく旧校舎で待っているよう言って、沖野は授業に戻ります。しばらくおとなしくしていた比治山ですが、待ちきれなくなって校内の探索を始めます。

　すると、沖野が緒方に告白しているところを目撃、それにショックを受けて、緒方を殴ってしまいます。

もちろん沖野は本気ではありません。ダイモスへの命令が、緒方から発信されていることを知っていた沖野は、彼を拘束するためにラブレターを書いて誘き寄せました。沖野もなかなかひどいですね。

　ただ緒方が気絶したのは結果オーライとして、彼の脳内を探査します。

　しかし、Dコードの制御権は既に緒方の元にありませんでした。別の人物に移ってしまったようです。制御鍵をなんとかしなくても、機兵を使って戦えばいいと、比治山は言いますが、戦いのルールでも変わらない限り勝てないと沖野は言います。実は沖野は以前セクター２で、十郎や関ヶ原達と一緒に機兵に乗って戦いましたが、結局負けてしまったという過去があります。

　これについてご説明するためにユニバーサルコントロールとダイモスについてご説明いたします。少し長くなります。
　この世界は実はユニバーサルコントロールというコンピューターに作られた仮想空間であり、主人公たちの肉体は別の場所にあります。彼らはポッドの中で生まれ、この仮想空間で生活を体験しています。
　この世界の居住区管理システム部分を作ったプログラマーは2188年の沖野司。彼は怪獣ダイモスというシミュレーションゲームのシステムを流用して、居住区のプログラムを作りました。ちなみに怪獣ダイモスというゲームは町や人々の生活を発展させていき、迫り来るダイモスと戦うゲームです。トロピコみたいな感じですかね。
　もちろん沖野は、ダイモスがやってこないように、戦闘システム関連のプログラムは封じて、この世界を設計しましたが、とある理由により主人公たちの仮想空間にも、ダイモスが襲ってきてしまっています。ダイモスと戦うため機兵を作った彼らですが、戦闘システムは制限されたままなので、レベル１のまま大群と戦わなくてはなりません。
　沖野が、ルールでも変わらない限り、勝てないと言ったのはこういう理由です。だから彼は、そもそもダイモスがこないようにDコードをなんとかしようとしています。

　そのまま緒方をアジトに連れ帰り、拘束して脳内をさらに探査して、鍵が誰に移ったのかを調べます。
なかなか鍵が見つからず、気分転換に外へ出た２人。沖野がコンビニへ買い物出かけた直後、以前焼きそばパンをくれた薬師寺が現れます。比治山はお礼を言おうとしましたが、突然ナノマシン注入銃で撃たれてしまします。比治山は気を失ってしまい、この間に緒方は救出されてしまいました。

　この時、汚染回避コード、機兵強化拡張コードを撃ち込まれました。機兵強化拡張コードとは、先述した戦闘システムの制限を解除し、機兵を強化できるようにするコードです。これにより、文字通りゲームのルールが変わります。

　気絶した比治山が目を覚ますと、今度は比治山が脳内を探査されていました。緒方からは何も分からなかったため、比治山の脳内を調べていると言いますが、完全に遊んでいます。

　比治山沖野ファンにとっては最高のシーンでしょう。でも好きな人に頭の中の妄想を覗かれたらたまったもんじゃないですよね。

　後日、旧校舎で関ヶ原とミウラと出会います。

この小さな探査装置にミウラという名のAIが入っています。ミウラを弄っていると、突然謎の映像が投影されました。これは2188年の記録です。これで2188年において沖野と比治山が恋仲にあることと、銃撃戦によって２人とも死亡したことを知ります。

　なんだか嫌な予感がした比治山は急いでアジトに戻りますが、そこを関ヶ原につけられていました。

　彼のナノマシンはどうやらウイルスプログラムに侵されており、記憶を失いかけているようです。彼は記憶のバックアップを取るためにここを訪れました。

　後日、同じくセクター４に来ていた三浦と再会します。元居た1945年がどうなったのか聞くと、怪獣によってめちゃくちゃに破壊され、誰も残っていないという驚愕の事実を知ります。

　三浦の話を確かめるため、沖野と一緒にセクター５に転移します。比治山はそこで初めて、怪獣ダイモスをの姿を目の当たりにします。三浦の言う通り、本土は米軍ではなく、ダイモスに攻撃されていました。

　ここで比治山はある疑問を持ちます。自分のいた1945年は攻撃されて廃墟になっているのに、今いる1985年はなんともないのはなぜかと言う疑問です。これで、セクター４とセクター５が時系列で繋がっていないのではないかという考えに至ります。
　ここで、セクターについてご説明します。この仮想空間は5つのセクターで構成されており、それぞれ時代背景が全く違います。転移ゲートはこのセクター間を移動するためのものであり、タイムトラベルをしている訳ではありません。つまり、セクター５/1945年もセクター４/1985年も時間は全く一緒です。
　比治山はこれで世界の真実に１歩近づきました。

　セクター４へ帰ってきた２人。比治山は先に帰りましたが、実はゲートを使ったところを如月に見られていました。如月も知りたいことがあり、転移ゲートを使える人間を探していました。これを見て如月は沖野に目をつけます。
　この日以降、２人は毎日ゲートを使って出かけます。

　ある日、学校で沖野と如月が話してるのを見かけます。めちゃくちゃ嫉妬してます。

　ここ最近、あの女と何をしてるんだと、問い詰めますが、はぐらかされてしまいました。
比治山は二人がどう言う関係なのか、毎晩何をしているのか気になって、常坂神社で待ち伏せることします。

そこで緒方と出会います。緒方も如月が気になって来たようです。
　二人で待ち伏せていると、沖野と如月がゲートから出て来ます。

　比治山は、自分も世界を救うために協力したいから、知ってることをきちんと教えてくれと頼みます。このとき沖野は如月と一緒に、セクター３の中枢に行っており、そこでキサラギというAIを見つけました。キサラギはセクター２で一緒に戦ったAIです。彼女から色々な話を聞いていました。

　沖野は比治山をセクター３の中枢に連れて行き、それらを説明します。

　この世界の地下には巨大な中枢コンピューター、通称ユニバーサルコントロールが埋まっています。これは各セクターの地下にあり、ダイモスはこれを狙って攻撃をしてきます。また実はこの世界の人々はこのユニバーサルコントロールによって管理されており、ここが制圧されると、そのセクターにいる人々は消滅してしまいます。比治山の生まれたセクター５、沖野の生まれたセクター１はUCが制圧され、無人となってしまいました。
　ダイモスは基本セクター１からやってきますが、今回はセクター４を飛ばして、セクター５を先に攻撃しています。これはDコードの制御鍵を持っている人間がセクター４にいるためです。全てのセクターを制圧する前に、命令者がいなくなってしまっては困るからですね。

　沖野たちは結局誰が制御鍵を持っているか突き止められず、制御鍵をなんとかするのは諦めています。しかもDコードの制御鍵は、同じくDコードを持つ15人の間を転々とする性質があり、たとえ所有者を見つけたとしても、また別に人間に移って命令を出すため、意味はないようです。

　また沖野はインナーロシターについても調べていました。インナーロシターがDコードの処理に使っている容量は2割程度で、残りの8割は意味不明の処理だそうです。つまりDコードを使って世界を滅ぼすために、インナーロシターが埋め込まれた訳ではないと、沖野は考えています。

　次に、どうやって知ったかはわかりませんが、十郎の脳内のナノマシンに危険人物426の意識データが寄生していることを知り、十郎を拘束して426を尋問します。

　426は過去に虐殺事件などを起こしており、沖野も警戒しています。しかし彼の本当の目的は機兵でダイモスと戦い、みんなを救うことです。426の作った機兵強化拡張コードを使えば、ゲームルールが解放されダイモスたちと勝負できるようになります。この辺は先ほど述べた通りです。
　426は薬師寺を使って、15人の主人公たち（最終的には13人になりましたが）彼らにこのコードを追加しながら機兵を配っており、最終決戦へ向けて準備をしていました。
　沖野はそんなことは信じられず、426の尋問を続けていましたが、薬師寺が乗り込んできて、二人は撃たれます。そして十郎は助け出されました。

　後日、再びセクター３の中枢へ行き、キサラギから話を聞こうとします。しかし突然、ドロイドに襲いかかって来ます。二人は一度戻ろうとしましたが、コンソールの制御が移っており、比治山だけが脱出します。